B型肝炎について

B型肝炎は、B型肝炎ウイルス (HBV) に感染することで発症します。

感染
B型肝炎ウイルスは血液や体液を介して感染します。その感染形態には1)水平感染と2)垂直感染とよばれるものがあります。
1)水平感染
・ウイルス陽性の方との性行為で感染
・ウイルス陽性の輸血による感染
・ウイルス陽性の血液が傷のある場所に付着したり、医療従事者の針刺し事故による感染
2)垂直感染
B型肝炎ウイルスに感染している母親から子供が生まれる際の感染(母子感染)

現在では検査体制が確立したため輸血製剤の感染はほとんど見られません。また、母子感染においても適切な感染予防対策がとられるようになり、その感染はほとんどみられなくなっております。

上記のような感染の機会に心当たりのある方は、B型肝炎ウイルスの検査をされることをお勧めします。

治療
慢性B型肝炎の治療の目的は、その後の肝硬変への移行と肝細胞癌発症の阻止にあります。
現在の抗ウイルス療法は1)インターフェロンと2)核酸アナログ製剤によるものです。
1)インターフェロン(IFN)
・IFNα
・IFNβ
2)核酸アナログ製剤
・ラミブジン Lamivudine(ゼフィックス Zefix®)
・アデフォビル Adefovir(ヘプセラ Hepsera®)
・エンテカビル Entecavir(バラクルード Bareclude®)
現在は、核酸アナログ製剤の中でエンテカビルが第一選択で用いられています。
治療薬の選択は、年齢や肝障害の程度やウイルスの状態で判断されます。

抗ウイルス療法以外に、肝炎の鎮静化をはかるため下記の薬剤が使われます。
・グリチルリチン(SNMC:強力ネオミノファーゲンC®)
・ウルソデオキシコール酸(UDCA:ウルソ®・ウルソサン®)

治療薬の選択は、年齢や肝障害の程度やウイルスの状態で判断されます。また、核酸アナログ製剤の中でエンテカビルが第一選択で用いられています。

治療におけるガイドラインは年ごとに改訂され複雑化しております。適切な診断と治療を行うために肝臓専門医の受診をお勧めします。

埼玉県では、肝炎治療医療費助成における診断書に記載ができる医師は、(1)日本肝臓学会肝臓専門医、(2)埼玉県肝炎医療研修会受講修了者のいずれかの者のみに限られます。当院でも記載できます。